ステムリム(4599)のIPO新規上場情報

「再生誘導医薬」を開発するバイオベンチャー。
赤字バイオでハイリスク・ハイリターン系銘柄。

社長はアンジェス創業にも関わっているので連想されそう。
数円ストック・オプションが大量発行・上場後すぐ行使可能。
ベンチャーキャピタルにおロックアップが掛かっていない。上場時の売り圧力強力。

直前の増資などと比較すると想定仮条件はあまりにも高い印象。

ただし、再生医療の注目度自体は高く一発の期待も高まるのも確か。8月上場で他と被らないので本当にハイリスク・ハイリターン必至の銘柄となりそう。
仮条件決定と直前の注目度気配には要注目。

売出210万株を公募増資に変更。
売出240万株→30万株
公募600万株→810万株

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

再生医療を手掛けるバイオベンチャー。
事業の注目度は高いが、IPOの地合いが悪い状況では厳しい目線。

危険な香りがする銘柄として注目されそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2019年7月度、単体予想EPSは-16.52円。
想定価格3,050円から計算される予想PERは約-184.62倍と赤字。

売上も利益も毎年悪くなっている状況。何故か目論見書ではグラフ表示させていない。
一発を当てる銘柄ではあるものの、現状のIPOにそういった買い意欲はない。
想定仮条件2,370円～3,730円から仮条件1,000～1,700円と大幅減額。

過去に例を見ないレベルの引き下げで、ここまでしてIPOする意味とは？

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約294億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比率3.6%。もともと売出予定の210万株を取りやめ。反対に公募で210万増資となる。
オファリングレシオは標準範囲の19.2％。逆にまだ売り玉たくさんという状況になった。

ベンチャーキャピタルからの出資も豊富で、ロックアップなしもかなりある。
安い価格でもどんどん現金化に走る可能性があり注意。
またストック・オプションも2～5円価格で600万株以上も潜在しており、行使期間に入っているので、
大いに権利発動して売り圧力となり得る。

需給面で見ると公募組は非常に不利な状況。初値が付いた後、売り一巡して安くなったところでも買えるのではないか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

当たれば大きいバイオベンチャー。しかも注目度の高い再生医療という点では評価できる。
事業は魅力を感じるが、IPOのやり方（資金集め）には魅力を感じない銘柄。

ここまで条件が異常となると、買い手も手控えて様子見するのは必至。
あえて、公募株で参加しなくても十分買う時期のチャンスは来るような印象。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

警戒感が非常に高くなるIPO。「君子危うきに近寄らず」で無理な参加は控えるのが良いか？
仮条件でかなりのディスカウントとなったが、ここまで下げると逆にもともとの値付けに不信感となる。
半額以下になっても上場して、資金集め・換金したいという思惑が見えてしまいそうそう乗れない。

このところIPOの公募株が貰えないというストレスが続いている方も多いと思うので、
ギャンブル参加して楽しみたいという方もいるかも知れない。

IPOの地合いもいまいちな状況が続いている中では、こういった銘柄をパスするのもストレスが溜まるかも知れないが、
参加しなければ負けないのも投資。「逃げるが勝ち」という意識を持って、英断のパスしたい。
パスした方は初値がもし上がっても決して後悔しないという気の持ちようで。

全体考察
総合得点は2点で、私のBBスタンスはD評価です