ヤシマキザイ(7677)のIPO新規上場情報

東証2部上場の卸売業で地味系IPO。
例によって売上・利益ともに横這い。むしろやや下がり気味。
IPO資金で海外拠点の運転資金とし、業績を拡大できるか？

若干のディスカウントを見せて、公募に買いやすさをアピールするだろうが、不人気となると初値に関しては曇り空になりそう。

ただ、吸収規模が大きくないのでなんとか公募割れのようなことにはならなさそうなイメージ。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

設立１９４８年のオールド企業。東証２部上場、卸売業と注目度は薄い。
今更上場感があるが、資金使途は海外での運転資金など積極的。

注目度の面では６月のIPO数が多い時期の上場だと厳しい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年3月度、連結予想EPSは144.31円。
想定価格1,280円から計算される予想PERは約8.87倍。

成長性がない分、想定価格はディスカウント体制。
買いやすく評価できるスタートラインと感じる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約11.7億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証２部。主幹事は野村證券。東証２部案件にしては規模は小さい。

売出比率高め、公募株は全て自己株処分。オファリングレシオも高め。
大株主の神鋼造機が全て売却。既存株主には価格解除なしのロックアップあり。

老舗企業らしくベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない（出資会社はあり）。
またストック・オプションの未行使残もない。

上場時の売り圧力は公募組程度、人気がなくても公募組が公開価格の下ではあまり売らない印象で、
公開価格より少し上ぐらいの初値は期待できるか？下値は固そう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

オールド企業で卸売業は不人気業種。これといって期待できる事業もなく、業績も横這い続き。
IPO的には横比較で魅力を感じにくそう。特に６月のIPOの多い時期での上場は比較されて人気薄になる。

東証２部上場はマイナー銘柄が多いが、その中でも業種によっては狙えるものもある。
今回の卸売セクターは、その観点で見てもイマイチ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

下値は固そうだが、人気もない微妙銘柄。
初値売りですぐに利益を期待する人にとっては期待通りの結果にはなりにくい。

一方、割安感のあるスタートで吸収規模も小さいので需給面では売りも閑散な印象。
閑散相場の中、少しは健闘するシーンもあるかも知れない。

普通にバリュー面でお買い得な印象があるが、IPOの初値に関しては人気からくる需給のほうが値を決めるので、
初値自体は期待せずに、買い得な公募株を頂くというレベルで参加したい。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です