ワールド(3612)のIPO新規上場情報

公募については国内募集株式数10,227,000株及び海外募集株式数4,623,000株を目処に行われる予定。
公募は全株自己株式処分。再上場案件。
筆頭株主が売り出しなしでロックアップなし！！

知名度は高いものの厳しいか？
野村證券主幹事の手腕で、うまく仮条件で割安感をだし、上場初値に面目を付けられるか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

今年の9月上場では一番大きい案件、知名度としては注目度が高い。
再上場案件で、決して業種は良いと言えないので知名度だけで判断したくない。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2019年3月度、連結予想EPSは317.68円。
想定価格3,630円から計算される予想PERは約11.43倍。

仮条件を大幅に引き下げてディスカウント感を出してきている。
ただし、決して成長しているとは言えず、妥当な株価が見えにくい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約671億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証1部予定。主幹事は野村證券。

売出株式比率11％で公募株のほうが圧倒的に多いが、オファリングレシオは51.1%と高め。
筆頭株主のファンドからの売出はなく、ロックアップもない為、売り圧力必至。
ストック・オプションの未行使残は150円価格だが行使は2020年以降とまだ先。

筆頭ファンドが売り出してなく、ロックアップ無しで800万株以上持っているのは厳しい。

上場後の需給面は非常に悪いと見る。ファンドの売りの状況を見てからでいいのではないか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

アパレル業界での再上場案件という斜陽状態。ただのブランド志向の服飾小売は衰退中。
何か成長を予想される特徴的なものもないので魅力を感じない。

残念ながら、既存株主の換金し易さのための上場と言われても仕方ないだろう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

再上場案件、大型、斜陽産業、筆頭株主の売り圧力とマイナス要素が揃ったIPO。
流石に人気の無さを感知してか、仮条件を大幅に引き下げてブックビル積み上げを狙う。

奇しくも同じ服飾系再上場案件「ナルミヤ」が、散々な結果で、IPOの地合いの悪さも続いているため
相当厳しい船出が予想される。

野村證券主幹事ということで初値は格好をつけるのか？
その後の筆頭株主のファンドの売りの出方など、値動き自体は気になるところ。
公募参加はパス案件として評価。

全体考察
総合得点は2点で、私のBBスタンスはD評価です