チームスピリット(4397)のIPO新規上場情報

売上急増、連続赤字から黒字化で反転攻勢。この後、どの程度利益も伸びるかだが売上急増を意識してやや強気の想定価格。

株主にベンチャーキャピタル多く、1.5倍でロックアップ解除。ストックオプションの未行使残も100円価格など多い。

業種や業績の伸びは評価できるが、やや売り圧力も多いと感じる。8月の隙間上場は功を奏しそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

IPOがあまりない８月後半の単独上場ということで注目度は高くなりそう。
企業の業務管理をクラウドで提供ということでIPOでは人気がある業種。

マザーズ小型というのもあり、資金の行き場として注目されそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2018年8月度、単独予想EPSは2.09円。
想定価格1,000円から計算される予想PERは約478.47倍。

前期まで赤字、黒転での上場だが売上の伸びで相当見込まれた想定価格となっている。
売上の伸びを考えると連続して赤字だった状況が納得いきづらい部分はある。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約5.52億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事は野村證券。

公募売出比は5：1レベルで公募が多い。オファリングレシオはかなり低めで供給を絞る。

ベンチャーキャピタルからの出資が豊富でいずれも１．５倍価格で解除となるのは難点。
ストック・オプションの未行使残も多く、こちらも気になる材料。
売り圧力のリスクを考えると、初値は抑えられやすくなるかもしれない。

小型上場は良しとするが、上場後の需給がいまいちと感じる。
特にベンチャーキャピタルからの出資が豊富で黒転即上場の展開は上場ゴール臭がきつい部分。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

企業管理システムのクラウドパッケージ提供は人気業種。
「働き方改革」といったテーマ性もあるが、上場の仕方にイマイチ魅力を感じない部分はある。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

８月に入ってきたマザーズ小型IPOということで嬉しいことは事実だが、
野村証券主幹事で公募当選が厳しく、さらにV.C.保有豊富の黒字転換即上場は嬉しくない。

普段だったらIPO初値値高騰三拍子「マザーズ」「小型」「業種（クラウド系）」ということで、
手放しにA評価とするところだが、今回はB評価としたい。

ただ、売上の急進は目を見張るものがあり、今後もこれが継続するのならという気持ちはある。
それも想定価格に織り込まれているので、どちらかというとリスクのほうが高いのではないか？

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です