アクリート(4395)のIPO新規上場情報

SMS配信サービス。広告というよりかは個人認証等の実用にシフト。
前期はやや不可解な急成長も、高止まりの模様。

ややニッチすぎる点は否めないが、マザーズ・小型・情報通信業ということでそれなりのプラス発進が見込めそう。

従業人10人は経営体力がちょっと怖いところか？ (インディゴ株式会社のSMS Inter-Connect Service(SICS)部門を会社分割)

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

7月後半の上場ラッシュに当たるマザーズ小型案件。
情報通信業セクターになるが、新技術的な注目度はやや薄いか？

とりあえずマザーズ・小型・ネット系が評価されて、それなりの上場を迎えそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2018年12月度、単体予想EPSは26.15円。
想定価格690円から計算される予想PERは約26.39倍。

前期急成長をみせたが、そこからはやや鈍化予想。
業態比較が難しいが、成長性を考えると割安感には乏しい価格設定。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約7.3億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比は若干公募が多い程度。オファリングレシオは標準レベル。

筆頭株主がベンチャーキャピタル。売出株はあるものの筆頭株主として残る。
ロックアップはきつめの180日で価格解除要件なしだが、潜在する売り圧力として意識されそう。
ストックオプションの未行使残は上場時は行使機関に入らないが、枚数が50万枚弱とやや多い。

上場時の需給はロックアップなどで保たれているが、先々の売り圧力が気になるところ。
成長が止まっている状況があからさまになり、割高感が意識されてしまうと株価の伸びが期待できない。

とはいえ上場時の需給面はマザーズ小型で問題なし。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

携帯電話のSMSサービスはテクノロジー的にそれほど魅力は感じにくい。
現在主に活用されているのは個人認証。これもアプリなどの代替方法に取って代わられる可能性あり。

もう一パンチ、新事業で需要の高まるアイデアが欲しいところ。
これは上場後のIR等に期待するしかない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

上場企業として支持され伸びていくには、現在の事業（SMS配信の個人認証がメイン）にプラスして、
もう少し先に期待できる事業が欲しいところ。
現状だと、企業の一部門が抜け出して、ニッチ分野で一儲け上場ゴールを感じる。

とはいってもIPOとしてはマザーズ・小型・ネット系と好発進の条件は揃っている。

7月の上場ラッシュの中でそこそこの初値をつけて、そのままどっちに転ぶか分からない銘柄。
新事業・新提案で期待感から伸びるかも知れないし、何もなくて低成長が露呈して沈む可能性も。

本来ならばA評価になりそうな銘柄だが、いまいち掴み所がない為、B評価として総合評価とする。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です