国際紙パルプ商事(9274)のIPO新規上場情報

東証1部or2部上場の老舗企業。地味な紙産業。
業績は安定感あるも成長はわずか。

既存株主が安くてもいいから上場して売り抜けたい思惑も感じるが、上場企業との比較では割安感を出してきそう。

公募人気はいまいちになりそうだが、下値リスクは低めで、そういった売買ができる人なら・・・。

主幹事みずほ証券は安い単価で演出した銘柄が以前にもあったが、同じようにうまく出来るか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

145期を迎える超老舗銘柄、事業も紙産業と古い。
IPOでの注目度は低いだろう。ただし、IPO人気の中、単独上場となった。

みずほ証券は以前も1枚あたりの単価を低く抑えた銘柄でうまく上場させた経緯あり。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2019年3月度、連結予想EPSは25.19円。
想定価格344円から計算される予想PERは約13.66倍。

単価は安いが予想PER的には割安感は感じない。
出来ればPER10倍以下になっていたらインパクトが有ったところ。
逆にPBRが1倍以下ということで資産価値的には買いやすい印象。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約27.6億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証1部or2部、時価総額では1部条件をギリギリ満たす。主幹事はみずほ証券。

全数公募の売出なし700万株。オファリングレシオはかなり低めで11％程度。

大株主は殆どが安定株主、製紙会社の保有も多く持ち合いになりそう。
一応、ベンチャーキャピタルと見られる保有もあり、枚数多いが割合で見ると小さい。
ストックオプションの未行使残も気にするほどではない、行使価格も345円と高め。

上場するなら1部ということで無理やり公募数を増やした印象？
割安感がないので買いも少なそうだが、大型ながら売りも出にくい印象。
一部上場になることで一定数のファンドの需要を考えると、多少需給面では有利か？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

紙産業は電子化の流れから衰退している斜陽産業。新しい紙技術を模索することで生き残りをかける。
IPO的な新しい魅力というよりかは、資産価値と配当利回りなどで長期保有を考える銘柄。

そういう意味では上場ラッシュの6月中では、あまり魅力を感じないかも知れない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

単価が安いことで広く配ることが出来、IPO初心者でも配分の可能性が高い。
主幹事他、3枚以上（約定10万以上）のセット配分での提供となりそう。

割安感は感じないが、安定した資産の保有場所としての価値があり。
上場後に一定数のファンド需要などもあると考えると、とりあえずはプラス発進が見込めそうなIPOか？

多くの方に小遣いになるような結果であれば、みんなハッピーで良いのではないだろうか？
せめて手数料割れしない初値を期待したい。
もし初値が手数料割れ程度の水準で決まれば、多少売るのを待てる覚悟も必要。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です