中村超硬(6166)のIPO新規上場情報

産業革新機構の売り出しIPO.
連続赤字中。機械セクター。マザーズながら荷もたれ感あり。
6月後半IPOが出揃って選別色がでてどうなるか。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

機械セクターながら、マザーズ上場は成長産業だからか、
赤字ながらも業績急成長見込みだからなのか際どいところ。

超硬の分野では、私でもメディアで聞いたことがあり多少の注目度はありそう。
地方上場のエコノスと同日上場となる。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2016年3月度の連結予想EPSは251.14円。
想定価格1,640円から計算される予想PERは約6.53倍。

上記値だけ見れば割安指標となるが、今まで赤字続きだったものが、
急成長した予測となる、また赤字の分、税金的に優遇された値となっているのは注意。

実質、妥当価格といったところか？急成長が16年度以降も続くなら割安だろう。
個人的に売上が減少しているのに成長するとしているのが不可思議ではある。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約36.8億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO、
上場市場は東証マザーズ。主幹事は野村證券。

マザーズにしては荷もたれ感たっぷりとなっている、
原因は産業革新機構の全株売出IPOだからか？

ベンチャーキャピタルの推定保有数は920千株。
VCのロックアップカバー率は高い、基本90日または1.5倍の解除。
筆頭株主が全数売り出してしまうので、上場後の流通という面では多少いいかもしれない。

※ストックオプションの状況は同ページの一覧表を参考されたい。

上場時に107千株ほどが行使可能、価格帯は700～1500円。
こちらはそれほどインパクトにある内容ではないと感じる。

もう少し業績の伸びが現状であれば良いのだが、残念ながら今の状況で買う層がいるのかが疑問。
仮条件を上げてきているが非常に判断が難しくなっていると感じる。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

マザーズだから急成長産業のようなトリックがあると感じてしまう。
奇しくも2日連続で超硬のIPOがあり、そちらは東証2部上場。

業績として結果の出ていないお墨付きの企業に投資するほど世の中甘くないといった印象あり。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

前評判からのまさかの仮条件強気で判断が難しくなった銘柄。
ただし、仮条件の付け方が世間とずれたイメージのある野村證券。

野村證券に乗るか乗らないか？のIPOと言えそう。

初値に関しては業績急成長予測のパワープレイで、公募付近か上で何とかなるかもしれないが、
長期投資は避けたいところ。ちなみに超硬で検索すると「日本タングステン」「冨士ダイス」「中村超硬」の
順番で表示される。

調べてみると堺市が税金使ってまで支援しているのですね。どうりで上場まで漕ぎ着けたいわけだ・・・

総合評価Cにしたのはマザーズだからです。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です