個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用するメリットは、やはり税金面です。

税金面では3つもメリットがあります。

  1. 掛け金が所得控除の対象
  2. 運用益が非課税
  3. 受給時に退職所得控除や年金控除の対象

税制面で3つもメリットがあるのは凄いことです。これだけ税制面のプラスがあるならどうせ積立投資するなら、うまく制度を利用したくなるでしょう。

3つのメリットをもう少し詳しく見ていきましょう。

掛け金が所得控除の対象(住民税と所得税軽減)

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SBI証券の紹介ページは分かりやすいですね。年金が社会保険料として控除を受けるのは皆さん知っていると思います。その所得控除が掛け金全額で受けられます。

例えば毎月20,000円を積み立てると年にして24万円です。その24万円が所得から控除されます。所得の3割ぐらいは税金で持っていかれると考えると、節税効果は約8万円となり、上記の図のSBI証券の試算ぐらいの税負担の軽減になります。

運用益が全て非課税!

これも投資する人にとってはとても大きな話ですね。

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確定給付年金の投資先は、一般的に投資信託ですが普通に投資すると運用益に対して約20%の税金が発生します。しかしながら確定給付年金で運用した場合は課税されず、運用益は全て再投資されます。

複利の力も使えますので、年金資産として大きなリターンが期待できます。積立投資で運用益が税金無しで再運用できるのは大きなメリットです。

上記図で大きくお得と書ける試算となっているのも頷けます。

受給時も退職所得や年金所得として受け取れる(所得控除)

最後に出口でも税制メリットがあります。

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退職所得や年金所得として受取ができますので、所得控除が可能です。もともと退職金や年金を補助するための制度なので、当たり前といえば当たり前ですが、こういった制度が使えるので安心して積み立てることが出来ます。


税制面で多くのメリットが有ることが、この制度を利用する動機づけになります。ただし、当然デメリットも考えて置かなければありません。いくつかあるデメリットをみても対応可能でメリットを享受したいならやはり利用した方がいいでしょう。

なお、個人型確定拠出年金は掛け金は月5,000円以上1,000円単位で任意に変更できます。毎年1回掛け金変更ができるので、最低でも年間6万円払い続ける覚悟があれば今すぐにでも始められる方は始めたほうが良いように思えます。なお、掛金をストップさせて運用指図者となることも出来ます。手続きが必要ですが、再度加入(掛金拠出)なども可能です。

個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット

良いことばかりを書いてきましたが、デメリットも見ておきましょう。

  1. 60歳までは原則解約不可能
  2. 特別法人税
  3. 運用先に良いものがない可能性

他にもあるかもしれませんが、ケースバイケースの事が多いので大きく3つのデメリットは見ておきたいです。

1つ目の「60歳までは原則解約不可能」という点では、差し当たってのキャッシュ不足(キャッシュフローが悪くなる)リスクがあります。そういう意味では、節税メリットも加味して個人型確定拠出年金は現状収入がたくさんあり資金に余裕がある方が利用したらいい制度といえます。

2つ目に特別法人税です。これは現在課税が凍結されていますが、もし凍結が解除されれば1.173%が積立資産に対して課税されます。ただ、この特別法人税は現状廃止の方向に向かっています。これが課税されるとこれだけ個人型確定拠出年金を推進しようとしているのにデメリットとして加入者が増えない事態となるので影響するような事態にはならないと思っています。早く廃止になればいいですね。

3つ目の運用先に良いものがない可能性は、個人型確定拠出年金を管理する口座選びが重要です。口座管理手数料のコストや運用商品のラインナップ(運用商品の信託報酬のコスト)などが重要になります。加入前に口座を十分検討することが求められます。

出来る限り手数料面でも、資産運用コスト面でも得をしたいところです。

運営管理機関としては豊富なラインナップがある大手ネット証券がオススメですが、銀行系などいろいろなパターンが有り、ひょっとすると近くの金融期間で使い勝手が良いものもあるかもしれません。

ただ、一般的にはネット証券あたりが手数料面で低コストで利用できる場合が多いです。