東京地下鉄「東京メトロ」(9023)のIPO新規上場情報

売出しについては国内売出株式数 232,400,000 株及び海外売出株式数 58,100,000 株を目処に行われる予定ですが、最終的な内訳は、売出価格決定日（2024 年 10 月 15 日）に決定される予定です。

話題の東京メトロこと東京地下鉄がいよいよ登場。久々の大型IPOで政府売出し系ということで失敗は許されない期待が掛かる。30社以上の大幹事団でお祭りIPO。

全数売出しで売出し元は「財務大臣」「東京都」がそれぞれ半数を放出。国の持ち分は復興財源に。

配当性向の高さや株主優待の紹介も上場前からあるなど、株主還元策もバッチリ。

募集人気は高まりそうと感じる。上場時までいい雰囲気を維持すれば大型でも1,500円まで買える雰囲気になって、そこそこ上昇の1枚あたり2～3万プラススタート初値。1300円～1500円の初値予想の青写真を描きたいところ。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

2024年最大のIPOで最注目IPO。
吸収金額3000億超え規模は2018年のソフトバンク以来の大型案件。

2022年に東証市場再編後、東証プライムへの上場銘柄は公募割れなしなど、
大型株のほうが調子が良い最近のIPO。

話題性高く、注目度的には成功して欲しい銘柄か？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年3月度、連結予想EPSは90.02。
想定価格1,100円から計算される予想PERは約12.22倍。

業績は急成長はしてないものの安定的、コロナ禍前水準まで戻っており、
さらに今後はインバウンド需要で都心の地下鉄は順調な状態が続きそう。

十分安い価格設定と見て良さそう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約3,195億（想定価格ベースOA分含む）の超大型IPO。
上場市場は東証プライム市場。主幹事は野村證券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、他。
幹事団は、ほぼ国内の知ってる証券会社は取り扱うオール体制。

全数売出しのIPOで公募なし。売出し元は国と東京都が半分を売り出す。
売却益は東日本大震災の復興財源に充てられる。

国と東京都以外に保有既存株主なし。

ストック・オプションの未行使残もなし。

ロックアップも180日掛かっており、国や東京都は二次売り出しなどで放出しない限り機動的には売買しない。

売出株を貰った組とセカンダリー参戦組のせめぎあいの初値模様になる。

仮条件上限1200円でもまだまだ安いと見られて買われると考えられれば、
上場時の需給面はなんとかなりそうだが、大型株は初値高騰は基本的にはないと慎重になりたい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

鉄道株はやはり人の多い路線に魅力あり。東京の地下鉄は世界で見ても魅力溢れる。
また上場時は殆どが鉄道収益によるものだが、上場後は路線沿線の不動産事業も魅力。

東京メトロの各駅の多くが魅力ある知名度を持っていることから、少しでも株を保有しておきたい人は多そう。
久々の目玉IPOとしては扱われそう。売り側（幹事証券）も売りやすいのではないかと思う。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

参加する投資家全員にお小遣い案件になることを期待して総合評価はB評価とする。
基本大型案件は需給面から初値が上がりにくいのがIPOだが、ここ最近はそういったこともなく
プライム上場銘柄が順調。上場後の株価も上昇している銘柄が多く安心感もありそう。

売出価格が1,200円で決まり、1,200円スタートとすると1枚あたり2～3万プラスの
1,400～1,500円あたりの初値を期待したい。

目論見書では配当や株主優待制度でもアピール。
継続保有の良い魅力となっていて、上場時の売りもある程度絞られそう。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です