オルツ(260A)のIPO新規上場情報

デジタルクローンP.A.I.（パーソナル人工知能）の開発・普及。AIを活用して、自身の分身を作って活用するというのが目的。アニメやSFっぽさを感じる事業ではあるので注目度は高い。

具体的な技術内容はもちろん守秘だが、個性化には従来のAI平均モデルに少量の個人データを入れて歪ませて作るとのこと。

ベンチャーキャピタルからの出資が凄まじくジャブジャブ状況。赤字上場ということで、上場時の評価が分かれそう。

上場時の公募売出比率は5:1程度で公募が多く、既存株主へのロックアップも価格解除あるがしっかり。

評価は分かれるがIPO初値売り投資ではなく、革新的かも知れないベンチャー企業への投資気分で参加するかどうか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

P.A.I.（パーソナル人工知能）という自分の分身技術を提供。
SFやアニメみたいな近未来技術感はある。

AI系企業ということで注目度は高そう。
上場日も10月は分散傾向で大型が来る前に単独上場というのは悪くない。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年12月度、単体予想EPSは-116.03。
想定価格510円から計算される予想PERは約4.4倍で赤字。

売上は伸びているものの、先行投資で赤字幅も伸びている状態で、
業績面からは評価できない。

一応、ストック・オプション（2024年前半）で851円という評価があるがなんとも言えないところ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約52.7億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は大和証券。

売出株式比率16.7%で公募が多い。公募５：売出１。オファリング・レシオは高めの標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資が非常に多いが、売出が少ないため上場後も保有を多く残す。
ロックアップは180日のものと「90日 or 1.5倍」のところがあるので、1.5倍のロックアップ解除はかなり意識されそう。

ストック・オプションの未行使残は約271万株。行使価格が5円から851円と様々。
5円ストック・オプションが一番多く160万株が行使可能期間なのは気になるところ。

50億レベルというのを大きいというのは寂しいところだが、
荷もたれ感のある中、上場後の売り圧観測も強い。需給面はいまいち。

そこに来て、ここ最近のIPOの地合いの悪さが一番気になるところで、
少しでも地合い回復傾向を感じる状況になっていることを期待したい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

単純にAIが人に変わって単純作業をやってくれるという分野ではパーソナルクローンというのは一番魅力的に感じる。
自分の分身が手間のかかる仕事をやってくれれば、効率が数倍から無限レベルまで増幅が可能。
インターネット技術で爆発的に世界中で情報通信が進んだことが、今後はAIで起きるかどうか？

魅力の点ではIPOらしさのある事業を行っていることから評価して良いと感じる。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

この手の期待感の強いAI系企業は、スペックに問題があってもB級評価としたいところだが、
IPOの地合いがいまいちというタイミングでは赤字で成長期待という内容に買いが入ってこない可能性も。
手放しにB級評価以上に出来ないと見て、最終C級評価とする。

10月に入っても、いまいちパットした結果を残せそうなIPOが初旬以降出てこないことから
上場日は流れ自体は悪そう、そこにやや注目度や人気度で変化が見られるこの銘柄が、
IPOを活気付ける結果になるか試金石的なIPOになりそう。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です