ハッチ・ワーク(148A)のIPO新規上場情報

駐車場や会議室・レンタルオフィスなど賃貸契約の管理サービス。効率化で遊休部分が出ないようにしているというのが売り。

売り込みより業績の事実ということで、24期を迎えるグロース上場銘柄にしては売上横ばいで成長感がない。さらに利益面でも赤字拡大で、とても上場できるような数字が作れてないイメージ。

既存株主にはVCが多く、この状態でも上場を急いだか？小型で需給面で評価されそうだが、それもラッシュ期の同時上場では霞む可能性もあり、中身をよく見てからブックビルを考えたい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

月極駐車場や貸し会議室などを効率よく管理するサービス。
いわゆる遊休不動産活用形で、不動産テックと言われる分野。

小粒IPOで通常期なら問題ないが、上場ラッシュ中だと少し注目度不足も否めない。
上場日は4社同時上場。地合いの良さや買いが少なくても需給面で問題ない部分が救いになりそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年12月度、単体予想EPSは147.96。
想定価格1,680円から計算される予想PERは約11.35倍。

前期まで赤字が続いていたが、今期からは黒転でさらに利益改善に向かう模様。
予想PERの指標で評価すれば割安感あり。上場時期尚早とみるか、今上場するから割安評価で買えると見るか。
IPOでの期待度的には後者にはなるだろう。

仮条件は強気に引き上げており、さらに上限より20％上乗せ（2,160円）で公開価格決定の可能性もあり。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約5.85億（想定価格ベースOA分含む）の小粒IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比は半々程度。オファリングレシオはの標準範囲。

既存株主にはベンチャーキャピタルの名が多く、上場時に売り出していない。
ロックアップが1.5倍で解除されるのが30万株程度。1.5倍付近では手放さないかも知れないが、上場後さらに高騰したら手放しそうか？

ストック・オプションの未行使残は上場時参入170,900株。
直近の決議では2,670円の行使価格があるように公開価格の想定価格は安く見える。

需給面は上場ラッシュ・同時上場の影響があったとしても、
やはりかなり小粒なので良好と評価して良さそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

遊休不動産を技術の力で活用する不動産テックは魅力は高い。
赤字が続いてきて黒字ですぐに上場となるのは、VCの出資の多さからも上場を急いだ感も否めないものの
地合いは絶好調ということで逆にタイミングが良くなった印象。評価的に割安として見られやすい。

なお、赤字が続いた原因としてコロナ禍の影響も大きかったようで、
コロナ前の売上水準に戻ると同時に黒字を出せるということは、直近の赤字は評価額を下げてお買い得になったとも見れる。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

第一印象では業績をサラッと見ただけで、コロナ禍の影響もあって赤字だろうと思っていたが、
それでも上場を急ぎすぎて出てきていると感じC級評価としたが、
すでにコロナ前の水準の売上規模に戻したことで、黒字が見込めることが確認できる状態。

割安性もあり、小粒で需給面が問題ないなら、後は上場ラッシュで初値で買いが入るかどうかになるが、
そこは今の地合いであれば全く問題ない状況。評価を上げてB級評価とする。

なんだかんだで地合いの影響で初値はブレそうな銘柄ながら、プラス方向でどこまで伸びるか、公募付近で微プラスかの話になりそう。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です