ＤＡＩＷＡ ＣＹＣＬＥ「ダイワサイクル」(5888)のIPO新規上場情報

初値向きではない小売業セクターの登場。自転車販売店では上場会社では「あさひ」が有名。そこと比較して多少のディスカウント設定で新規上場。

ディスカウント分で需要がありそうではあるが、それ以上の人気化は厳しいか？小売セクターはもろに初値は地合いの影響を受けやすいので、最近のIPO不調の流れには注意したい。

一方で業績も安定的なので下値不安はあまりない固い銘柄として評価。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

国内に120店舗ほどを持つ自転車屋。販売の他、メンテナンスなども行う。
上場類似企業としては「あさひ（業界トップ）」がターゲット。

上場日は11月の単独上場で、スケジュール面での注目度は後押し。
2023年10月より始まったIPO新ルール適用開始第一号でもある。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年1月度、単体予想EPSは230.67。
想定価格1,610円から計算される予想PERは約6.98倍。

適正なIPOディスカウントが見られ、買い得感には十分な設定。
価格設定は評価したい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約14.8億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券。
SBI証券を含めて幹事団2社体制。

公募売出比は３：１で公募が多い。オファリングレシオは高めの標準レベル。

株主構成は社長が90％以上を占めており売出も社長から。
本業でしっかりと足をつけて伸びてきたイメージがあり好感。

ロックアップも180日で価格解除なし。ロックアップ解除後も株価が高ければ社長の売出がどこかで出るか程度か？

ストック・オプションの未行使残は959円で93,500株が行使可能期間。
量・質ともに妥当なレベルでのストック・オプションになっている。

需給面で問題になるところは見当たらない。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

IPO初値視点で見てしまうと、新規性のない自転車屋（小売業セクター）だと不人気で伸びづらい傾向がある。
そのため、あまり初値から期待をかけづらいところ。

しかしながら事業が生活密着アイテムで、上場しなくてもジリジリと成長を続けていた。
今回上場時の価格も割安感はあるし配当もでる。中長期に見ると下値は固く公募株に損はないという評価。

小売業なので株主優待が出る可能性も、あさひがなくなったことから期待している人も多く、
そうなると自転車屋乗り換えも増えて業績にも貢献しそう。あさひの優待復活の動機づけにもなりそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

初値視点よりも中長期視点になって参加したいと感じる銘柄。
中長期なら大丈夫ということで、上場日から需要がしっかりしてくれると初値から上昇可能性がある。
初値自体は出たとこ勝負になりそうだが、タイミングが悪くても公募株にはお買い得感ありという感覚で最終C評価とする。

近年は自転車人気も出てきているし、電動自転車もまだまだ普及しそうで、
少し高級な自転車はまだまだ売れて需要はあると見ている。
このタイミングで伸び盛りの自転車屋に、少し割安に投資できるのは単純に魅力あり。

BB開始の時点では、初値は微プラスなら上等ぐらいのイメージで前向き参加といったところ。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です