西部技研(6223)のIPO新規上場情報

漢字4文字社名、機会セクター、スタンダード上場、本社九州などIPO初値視点でみると地味な印象が強い。ただ、「デシカント除湿機」と「VOC濃縮装置」の分野では世界的にシェア争い。

今後自動車でEV車が増えることで特に2次電池製造時にニーズが高い模様。

50期を超え業績は横ばい続きから直近は少し伸びが見られる。会社予想からは成長自体は一旦止まりそうなので、先々の新規需要はどうなのか考えたい。

規模感大きく、売出も多め、初値視点ではマイナス要素多いけど、どうするか悩むことになりそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

デシカント除湿機やVOC濃縮装置等を製造する機械セクター。
世界的にはシェアを持っているものの中国依存度が高いのは不安材料。

地味な印象で注目度は低い。上場日も同時上場。
9月後半から、この銘柄の上場日の10月上旬まで上場が続くので注目度の面では厳しい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、連結予想EPSは213.96。
想定価格3,250円から計算される予想PERは約15.19倍。

業種も新規性薄く地味な産業にしては予想PER高めの想定価格と思っていたが、
仮条件は大きく引き下げて2,500～2,600円。
2,600円なら予想PERで約12.15倍。これなら一応の割安感が出る水準か？

同業種平均でPERは10倍～20倍ぐらいといったところ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約196億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比率63.4%とやや売出多め。オファリングレシオは高めの標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
ストック・オプションの未行使残もなし。
如何にもスタンダード上場のオールド企業のIPOという構成となっている。
ロックアップも180日でカバー率100％。

上場後の追加売り懸念が小さいというのは好材料と見たい。

200億弱から仮条件引き下げて150億程度の吸収金額。
吸収金額の大きさからすると初値は不安な需給としたいが、40億レベルも下げているなら買い得という見方もできる。

不安材料はあるものの買いやすさが出ていると判断したい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

事業内容に「デシカント除湿機やVOC濃縮装置」といった普通の人なら聞いたことがないような装置名が並び、
調べてみないと分からない地味系機械セクター。人気化は難しいと見るが、EV製造で必要なようなので、EV関連とされて注目の可能性はある。
なお、西部技研以外にも同様の機械を作っている企業は世界に多いのでブルーオーシャンではない。

それでも50期を超える歴史の中、直近の需要アップから業績が伸びており上場するまでなったのは評価したい。
仮条件も引き下げてディスカウントを感じるなら、多少割安で買える魅力はあるかもしれない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

まずは想定価格から約2割引という仮条件に対してどう見るかというのが主題になりそうな地味系IPO。
個人的にはここ最近IPOで一番厳しいのはイグジットIPO系で、こちらは該当しない。
もともと想定価格ではディスカウントが足りないと思っていたので、仮条件引き下げは歓迎できると考える。

初値向きのIPOスペックではないので、公募ゲット初値売りでの期待度は低めだが、
中期的な株価の値動きや安定感まで意識すれば、ちょっと期待度があるIPOとして総合C評価とする。

規模感が大きく不人気になりそうなので、当選確率は高そう。
申し込む場合は初値向きではないということを十分理解して参加したい。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です