テクニスコ(2962)のIPO新規上場情報

幹事団が野村と三菱の2社体制。セクター金属製品・スタンダード上場の地味系IPO。しかし技術系で上場まで持ってくる企業のIPOはやや人気が出る傾向。

業績推移は不安定ながらも今後も必要とされる精密部品を多く取り扱っており成長期待はありそう。

公開価格が低単価に設定されており買いやすさが意識されて初値は伸びそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

金属・ガラス・セラミックなどの精密加工部品を製造販売。
精密な電子部品やレーザーヒートシンクなどで活用されていて需要は高い。

東証スタンダード上場で事業的には地味扱いされそうだが、
見る人が見れば玄人感があって、少しは注目されそうか？

同時上場はマイナスの影響を受けそうだが、幸いもう片方の注目度が高すぎて比較対象にはされにくそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年6月度、連結予想EPSは34.87。
想定価格450円から計算される予想PERは約12.91倍。

金属加工や素材メーカーなどの比較で妥当な価格設定。
なお、仮条件は2割高レベルで引き上げてきている。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約11.8億円（想定価格ベースOA分含む）の小型～中型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事は野村證券。幹事団は2社。

全数公募で売出なし。オファリングレシオは高めの標準範囲。

既存株主には創業者家族や親族が多い。信託口も一族の模様。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
ストック・オプションの未行使残もなし。

売り圧はかなり乏しい銘柄とみてよさそう。

買い意欲がどの程度かによるが、基本的には需給面は問題なしと見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

金属製品メーカーの上場となれば基本は人気薄。
複数の加工技術を組み合わせることで、質の高い製品作成が強み？一つの会社で部品がちゃんと作れる。
この手の業界の競争でこういうタイプが今後伸びるかどうか？

格安でたくさん作ることから、少量でも質の高いものを求める世の中になれば競争でやっていけそう。
結論的には人気化は難しく、魅力も一般的には惹き付けにくい事業。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

仮条件を引き上げてきたが、売出なしでこの価格なら需要あっての対応と見て
初値は公開価格の微プラスが一番想像つきやすい。幹事団も少ないことから需給が引き締まれば、
若干余分に初値はプラスになる可能性が高いと見る。

買いやすい単価も踏まえて妙味をプラスして、総合評価はCではなくB評価とする。
しかしB評価レベルの初値騰落率はあまり期待しないほうが良く、例えば4桁（1,000円）目処などは難しいのではないか？
1枚あたり1～2万プラスで決着すれば成功としたい。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です