全研本社(7371)のIPO新規上場情報

社名が似合わないIT事業。もともと全国教育研究所から来ている模様。そのため語学研修やインド人の人材ビジネスも手掛ける。事業の幅広さは感じる。


吸収金額大きめ、成長力は緩やかなものの今後の新規事業が伸びるかには期待がかかる。

VCなどの出資がなくロックアップもきつめで売り圧力はなさそうだが、ストック・オプションの42円大量100万株以上は気になるところ。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

社名が漢字4文字のように語学教材からスタートしてる40期を超える会社。
事業も色々展開して、IT事業がメイン。得意とするグローバル思考から海外人材ビジネスも。

社名よりも中身を見ると期待度が高くなる注目銘柄と言えそう。
6月上場でもラッシュ前に上場できるのも初値に強み。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年6月度、連結予想EPSは77.13円。
想定価格1,290円から計算される予想PERは約16.73倍。

成長率は現在低めもこれからの成長期待を含めると、IPOディスカウント分はありそう。
妥当価格という表現が一番しっくりか。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約48.6億円（想定価格ベースOA分含む）のやや規模の大きいIPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はみずほ証券。

売出株式比率81.7%と売出しが多め。オファリングレシオは高めの標準ギリギリ。

特に既存株主にベンチャーキャピタルなどの出資は見当たらない。
一方ストック・オプションが42円価格で100万株以上で多い。
行使可能期間に入っており42というゴロもなかなか・・・。

40期を超える企業でマザーズへの念願の上場なので、頑張ってきた方にはこれぐらいのリターンがあってもと思わせる。

需給視点でみると懸念材料は、やはり売出しが多く吸収規模が50億というところか？
荷持たれ感が出る水準なので、地合い急悪化で買いが入らないときだけが怖い。
それでもちょっと地合いが悪い程度なら大丈夫なレベルと見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

社名が「全研本社」、40期を超える企業で成長率も低めとなると地味な印象を持たれやすいかもしれない。
ただ事業の中身を見るとITメインで、いろいろなことを手掛ける先進性はある。
海外人材ビジネスも過去の事業からの優位性がありそう。

まぁ、色々やっているのは良いけどコアなすごい部分が何かはちょっとわかりにくいか？やはり語学でしょうか？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

6月中旬の単独上場銘柄として悪くないIPOも、特に目立つ部分もないと感じるIPO。
吸収規模がやや大きいことから需給での初値高騰は期待薄。
しかし一般的なIPOとしての期待レベルで初値上昇を期待したい。上場時の地合い急悪化だけが怖いところ。

「規模が大きい＝入手しやすい」をメリットとして考えれば、良い案件ではないかというのが最終結論。
こういう銘柄は無事に初値プラスで多くの人に軽い利益を与えて欲しい願望もある。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です