Speee(4499)のIPO新規上場情報

吸収金額多めのアドテク系IPO。規模大きく初値は不安。さらに野村證券主幹事で強気の価格設定では買いがつかなそう。

少しでも初値プラスの目が出るためには上場日までに市場が安定していることが不可欠。
----ここまで4月上場予定時の第一印象----

・7月スライド上場時変更
公募 2,607,000→855,600株
売出 195,000→120,000株
OA 420,300→146,300株

想定価格
2,590→2,270円

資金使途として「借入金の返済」の文言消える。
規模感は3～4分の1レベル。

上場市場：マザーズ→ジャスダックスタンダード。

規模感や価格設定を引き下げてきて、どう判断するかになりそう。また7月上場でIPOスケジュール的にも余裕あり、地合いを見ながら前向きにスタンスを決められるか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

MarTechやらX-Techといった新しい造語を作っているが、基本はアドテク関連。
目新しさは消えているが、引き続きIPOでは人気が高い業種と言えそう。

4月のスライド案件だが、7月に単独上場。市場はマザーズからジャスダックスタンダードに変わっている。
直近のIPOの状況の影響度が高そう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年9月度、連結予想EPSは41.31円。
想定価格2,270円から計算される予想PERは約41.31倍。

仮条件を大幅に引き上げており、上限2,880円で想定価格の約＋27％。
スライド時の条件引き下げで割安感を感じていたがKYな値上げでやや割安感は薄れる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約25.4億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場はジャスダックスタンダード。主幹事は野村證券。

売出株式比率12.3%と公募が多数を占める。オファリングレシオも低めの水準。
スライドして上場するにあたり供給はかなり絞ってきた。

また資金使途の「借金返済」文言が消え、上場時点での企業姿勢は大きく変わったと感じる。
IPO投資という意味では規模感・需給で旨味が出ている状況。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
ストックオプションの未行使残は82円など低価格で多めにあるのでこちらは注意。
ロックアップには価格解除なしの90日間で固め。

需給面では4月予定時よりかなり、状況が良いと感じる。価格の引き上げは目を瞑っても需給よし。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

IPOでは人気が高めのアドテク系企業。ただし最近は新規性は薄れている。
事業名に新たな名前をつけて、やや新しいことに積極的な印象はベンチャー姿勢として魅力なところか？

ホームページに事業案内として「ビジネスR&D」と新規性の高い内容を出すぐらい
新しいことに積極的なのは、今後の一発の魅力として評価したい。
上場してもまだまだ面白いことが起きそうなことに期待したい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

高評価したい部分を上げると「スライド上場で公募組の条件よし」「新規事業に積極的」というところで、
IPO株で買いたくなる要素が需給を上手に押し上げそう。

直前になって、地合いの良さから仮条件を大幅引き上げてきたが目を瞑って参加したい。

規模が他の銘柄に比べて大きめなので初値がそれほど上がらない要因になりそうだが、
今後の可能性も考えて第一印象よりも評価を少しアップした。

特に既存ビジネスに囚われない事業をしっかりと継続させる意志を感じる企業は、
IPOファンとしては応援したくなるところ。
初値視点でみると、直近IPOや地合いの影響を大きく受けやすい点に注意したい。
 
全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です