IPO(新規公開株)関連用語集

このページでは、主にIPOで関連するよく見かける用語の説明をまとめて紹介したいと思います。

IPO関連用語集

なるべく分かりやすく、用語の説明を書きたいと思いますので厳密な定義については、証券取引所や、日本証券業協会などに問い合わせるか参照願います。

IPO Initial Public Offeringの略。日本語で株式公開。株式会社がオーナーなど少数の株主により所有され、株式の譲渡が制限されている状態(未公開会社)から、証券取引所などにおいて不特定多数の投資家が自由に株式の売買を行える状態(公開会社)となること。日本においては、かつて、証券取引所に上場する方法と、日本証券業協会の登録銘柄となる方法(店頭登録)とがあったが、後者の制度が廃止されてジャスダックに移行したため、現在では、前者の方法のみが存在する。
IR(インベスター・リレーションズ) 投資家向け広報。企業が株主や投資家の投資判断に必要な活動状況や経営の現状などに関する情報を適時、公平、正確に、継続して開示する活動のこと。最近では法定開示情報だけにとどまらず、自社の理解を深めるような情報が積極的に発信されるようになっている。また、Webサイトなどを活用したIRも盛んになっている。
売出し 多数の投資家に対し、均一の条件で、既存の株主が保有する株式の売付けを行うこと。株式公開時に創業者などが保有する株式の売出しを行うことにより、創業者利潤を得ることができる
  オーバーアロットメント(O.A.) 募集または売出しにおいて、需要動向を踏まえた販売、およびその後の流通市場における需給の悪化を防止することを目的として導入された制度で、当初の募集・売出予定株数を超える需要があった場合、主幹事証券会社が発行会社の大株主等から一時的に株式を借り、当初の売出予定株数を超過して、募集・売出しと同じ条件で追加的に投資家に販売すること。

追加的な販売株数(募集・売出し株数の15%を上限)を調達するべく、借りた株式を返還するために、主幹事証券会社は、発行会社または株式を借りた大株主等から、引受価額と同一の条件で追加的に株式を取得する権利を付与されることとなる。これをグリーンシューオプションという。

グリーンシューオプションの行使価格よりも募集・売出し終了後の市場価格が下回った場合、主幹事証券会社は、グリーンシューオプションを行使せず、一定のルールのもとで、自己の計算による市場での買い付けを行ない(シンジケートカバー取引)、株式を返還することとなる。なお、この場合、シンジケートカバー取引によって、株価形成が安定化することが期待される。

一方、行使価格よりも市場価格が上回った場合、グリーンシューオプションを行使して新株を取得し大株主等に返済する。

会計監査 監査法人、公認会計士による財務諸表類についての監査証明を受けること。株式公開に際しては、申請直前決算期以前の2年ないし3年間の財務諸表について監査法人または複数の公認会計士による会計監査を受けなければならない。また、会計監査は公開後も継続して受けなければならない。
株価算定 株式会社が発行する株式の評価を算定すること。未公開株式は市場価格がないので個別事情等を勘案し最も合理的な方法で評価を行う。主なものに、日本証券業協会規則に記載の方式(純資産方式、収益方式、配当方式、比準方式、併用方式)、国税庁方式(類似業種比準方式、純資産価額方式、併用方式、配当還元方式)等がある。公開前規制時に株式等を発行した場合、算定方法を目論書などに開示しなければならない。
株価収益率 PERを参照。
株式公開 IPO」の項目参照。
株式公開のメリットと注意点 株式公開による主なメリットは次のようなもの。(1)資金調達力の拡大(2)信用力と知名度向上(3)優秀な人材確保(4)経営管理体制の確立(5)創業者利潤の実現。一方、次のような点には注意が必要。(1)遵守すべき法令等の拡大(2)企業内容の開示範囲の拡充(3)情報開示に対する事務量、経費の増大(4)企業買収や株式の買占めの危険性。
株式市場からの資金調達 企業が新株を発行して株式市場を通じて投資家に販売することで資金を調達すること。株式公開によって一度に大量の資金を調達することが可能になる。
監査法人等 会計監査を行う監査法人、公認会計士。監査法人は5人以上の公認会計士が共同で組織・設立した法人。
  吸収金額 株式公開にあたり市場に吸収される金額。
(吸収金額=新規公開株数 x 株価)
公開市場の選定・市場の違い 東証1、2部、ジャスダック1号の上場基準には設立後年数や利益計上などの項目があり、すでに実績のある企業を対象としている。一方、東証マザーズやジャスダック2号基準は「利益計上」が項目にないので、いわゆる赤字会社であっても潜在成長力が高い株式会社にも公開の門戸を開けている。また、マザーズでは公開のための申請書類作成負担が相対的に軽減されているが、株式公開後は四半期ごとの決算開示が必要など、継続して情報開示する義務は東証1部上場企業並みの負担が求められる。公開市場の選択は各市場の性格を勘案し、経営戦略や企業の成長段階、成長テンポを踏まえた上で行う必要がある。
公開承認・公表 取引所または日本証券業協会が株式公開を承認し、報道機関等に発表すること。公開承認後、即日発表される。
公開審査 株式公開の可否の審査のこと。取引所上場の審査は取引所が行い、申請書類をもとに各種ヒアリング、実地調査、面談、社長説明会等を経て決済される。店頭公開の場合は証券会社が「登録申請のための報告書」等をもとに取引所の上場審査と同レベルの審査を行い、その結果を日本証券業協会が確認した後、主幹事証券会社へのヒアリングを経て審査、承認される。一般的に公開申請から審査終了までは1ヵ月半程度。
公開申請 株式公開を証券取引所、日本証券業協会に申請すること。取引所への公開は株式公開を行う申請会社が、協会への申請は申請会社の同意を得て2社以上の幹事証券会社が連名で行う。
公開前規制 株式公開に際して一部の者が短期間に利益を得ることを防止するため、株式公開前の第三者割当増資等及び特別利害関係者等が行う株式等の移動に一定の規制がかけられていること。規制の期間は(1)第三者割当増資等については公開直前決算期日の1年前の日の翌日から公開日まで(2)特別利害関係者等の株式移動については公開直前期日の2年前の日の翌日から公開日の前日までの間。主な規制内容は、(1)の場合、取得者は原則として公開日以後6ヵ月間を経過する日まで取得した株式等を継続所有すること、(2)の場合は、株式等の移動状況を有価証券届出書や目論見書に開示することが求められている。
公募 広く一般に投資家を募り、新株式を発行して行う増資。株式公開時に公募を行うことは株式市場からの資金を調達することを意味し、一般的に多額の資金調達が可能となる。
公募価格 新規公開時に投資家が株式を購入するときの価格。決定方法にはブックビルディング方式、入札方式があるが、最近はブックビルディング方式が多く用いられる。
時価総額 上場株式をある時点での株価で評価した場合、どのくらいの金額となるか表したもの。個別企業の時価総額は、ある時点での当該企業の株価×上場株式数(発行済株式数)で計算される。
事業計画書 企業をどのように成長させていくのかを論理的に組み立て、実行していくための計画書。公開申請書類の中で重要な「上場(登録)申請のため有価証券報告書」にも記載される。また、株式公開そのものも事業計画とリンクしている。
資金調達 企業の成長に必要な資金を、投資家から出資を受けたり(増資)、金融機関から貸付を受ける(融資)ことで調達すること。
市場調査・競合企業調査 自社を取り巻く事業環境や競合企業と比較した地位などを調べ、経営判断に役立てるもの。公開申請書類の中で重要な「上場(登録)申請のため有価証券報告書」にも記載される。
ショートレビュー 短期調査ともいう。会計士が、会社内部の管理体制、組織、会計処理などを調査し、株式公開に向けた課題をチェックするもの。株式公開を意識したときまずショートレビューを受けると、公開準備で必要なことが具体的にわかり、大きな指針となる。ただし、ショートレビューは監査とは異なる点に注意が必要。
ストックオプション あらかじめ決められた条件で自社株を取得できる権利を付与する制度。通常、会社の業績が向上することは、会社の価値が上がることであり、会社の株式の価値=株価の上昇につながる。これにより株価が取得できる価格よりも高くなり、その差額がストックオプションを付与された者の利益=キャピタルゲインとなる。つまりストックオプションの付与は、役職員の業績への関心を高め、業績向上を目指す動機付けになることが期待される。最近の商法改正によって、成功報酬的な活用として、弁護士、コンサルタントなど、社外の協力者にも付与できるようになった。
  想定価格 新規上場するにあたり1株あたりの価格を現状の企業の力を鑑み、類似会社との比較などを行った上で想定した価格。目論見書の資金使途の計算などに用いられる。
第三者割当増資等 株主割当増資以外の株式等の発行のこと。発行会社と関係のある特定の者等に新株を発行することをいう。
第三者割当増資等制限期間 公開前規制のひとつ。第三者割当増資等により公開直前決算期日の1年前の日の翌日から公開日までに株式等を取得した者は原則として公開日以後6ヵ月間を経過する日まで取得した株式等を継続所有しなくてはならない。
  調達資金の使途 新規公開株のうち公募により調達する資金の使途。
ディスクロージャー 企業が、株主や投資家の投資判断に必要な情報を広く開示すること。適時、公平、正確に開示することが求められる。最近では法律や取引所・証券業協会の規則に基づく開示だけでなく、企業独自の情報開示が進んできている。
特別利害関係者等 公開申請会社の関係者。範囲は、役員、その配偶者及び二親等以内の血族、役員等により議決権の過半数が所有されている会社、関係会社及びその役員(以上が特別利害関係者)、大株主上位10名、人的関係会社及び資本的関係会社並びにこれらの役員、証券会社及びその役員並びに証券会社の人的関係会社及び資本的関係会社。
内部規程 内部統制に関する整備の結果が、規程・マニュアル等として規定化されていること。社内管理規程ともいう。
内部規程の運用 企業が、整備された内部規程を実際に運用していること。公開審査では、通常、1年以上の運用実績が求められる。
内部統制 企業の組織・仕組が、社内外の不正・事故を未然に防止し、法令・規則に準拠して有効で効率のよい業務遂行を行い、適切な財務内容を株主に適時開示できるようになっていること。公開審査では、こうした体制が整備され、1年以上の運用実績があることが求められる。
ブックビルディング 株式公開時などで新株の価格決定の際で用いられる発行条件の決定方式のひとつ。主幹事証券会社が専門性の高い機関投資家等からの意見をもとに価格帯(仮条件)を設定、投資家に提示した後、投資家の総需要を把握した上で、需要動向、市場動向、公開予定会社の状況を踏まえて、公開予定会社と協議の上で発行価格(公募価格)を決定する。ブックビルディング期間は4~5営業日程度。
PER Price Earnings Ratioの略で日本語では株価収益率。株価を1株当利益で割ったもので、株価が利益の何倍まで買われているかを示す。PERが高いほど利益に比べ株価が割高、低いほど割安であることを示す。 同業種の株価の割安度比較などに用いられる。

PER(株価収益率)=時価総額※÷純利益
(=株価÷1株あたりの利益EPS)

  引受シンジケード団 新規発行や売出しに係る有価証券を販売等の目的で取得する証券会社等の団体。販売力の強化とリスク分散を目的としている。
プレヒアリング ブックビルディング方式での株式公開時に、主幹事証券会社が発行価格(公募価格)決定に必要な仮条件決定の参考にするために、価格算定能力が高いと思われる機関投資家等に、妥当価格帯や理由等をヒアリングすること。プレヒアリングの期間は8営業日程度。
VC(ベンチャーキャピタル) 株式公開を目指している未公開企業への投資を通じて資金提供を行っている企業・団体。VCは個人、事業法人、機関投資家等の資金を組成したファンドまたはVCの自己資金を投資し、投資先企業が株式公開した後に、株式市場を通じて保有株式を取得価額よりも高く売却することで利益を得る。
法定開示義務 公開会社として証券取引法、商法に則った情報開示を行わなければならないこと。開示資料として、証取法上では有価証券報告書、半期報告書、臨時報告書、有価証券届出書、有価証券通知書、商法上では商法計算書類及び付属明細書がある。
マーケットメイカー ある銘柄について、常時売り・買いの株価と株数と提示し、顧客の注文に応じるという「マーケットメイク」を行うことができる証券会社。
マーケットメイク銘柄 マーケットメイクを行うことができる証券会社(マーケットメイカー)が常時売り・買いの株価と株数を提示することにより、顧客がマーケットメイカーを相手方として売買を行う銘柄のこと。
目論見書 株式公開に際に、投資家に対してその投資判断の基となる情報を提供するために記載・交付する書類。発行会社の事業の内容や経理の状況、調達資金の使途などが記載される。
有価証券届出書 証券取引法上、不特定多数(50人以上)の者に総額1億円以上の有価証券の勧誘を行う場合に財務局への提出が必要な書類(総額が1000万円以上1億円未満の場合は有価証券通知書)。株式公開時にもこの条件に適合するため提出が必要となる。
流動性 ある銘柄が証券市場でいかにスムーズに売買できるか、あるいは換金しやすいかを示す。一般的に、市場で流通する株数が多いほど(発行済株式数が多い、時価総額が大きい)、市場での売買が活発なほど(売買高が多い)、市場での売り買いの価格が合致しやすいほど(値付率が高い)、流動性が高い。流動性が高い銘柄ほど、希望したときに希望の数量、希望の価格で売買が成立しやすい。逆に流動性が低い銘柄は、希望したときに希望の数量、希望の価格で売買が成立しにくく、売りたいときに売れない(買いたいときに買えない)、思った以上の安値(高値)でしか売れない(買えない)、思った数量を買えない(売れない)、というリスクがある。
  ロックアップ 新規上場会社及び株主等が、会社の上場日後一定期間、新株式の発行や株式の売却等を行わない旨確約すること。上場後の株価の安定のために用いられる。
ロードショー 公開予定企業が発行価格(公募価格)決定前に機関投資家に向けて会社の説明を行って回ること。機関投資家が公開株の妥当価格帯を算定する場合の根拠となる。

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