リップス(373A)のIPO新規上場情報

メンズコスメという新しい分野を開拓。ドラッグストアなどでも若い世代が選びそうなヘアワックスなど流通している。

IPOスペック視点では公募5万の他は大量売出でイグジット感強い。価格設定は普通なものの値ガサな為、公募割れのリスクも高そう。

6月最終IPOとなるが同時上場。吸収規模が中規模以上のIPOが続くため終盤パッとしない結果の可能性も感じる。

一方で主幹事野村證券というのもあり、初値は同値かプラスには普通に持ってくる程度の内容も感じる。微妙だけど参加しておく程度が妥当か？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

最近になってドラッグストアのメンズ商品にもよく見かけるカラフルなワックスなどが特徴的。
美意識の高い男性へ上手なアプローチが功を奏して伸びた模様。

上場日は6月連続上場の最終日。2社同時上場。
やや中規模のIPOが続く中での最終戦となるが、6月IPO自体が少なめなことから買い意欲は持ちそうか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年8月度、単体予想EPSは250.78。
想定価格3,100円から計算される予想PERは約12.36倍。

業績は成長力高く好調。この勢いであれば価格感としては納得されそう。
やや値ガサなところは買いにくさとして意識されるかも知れない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約39.5億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は野村證券。

公募5万株で、残りが売出しという売出しIPO。オファリングレシオも高い水準。
野村の冠が付いているVCがイグジットというのは気になる部分。

VCが上場時に大売出し、上場後の既存株主からの売りはロックアップが固く当面なし。

ストック・オプションは34円や1,600円で枚数多く、行使期間に入っているので気になるところ。
出口上場っぽい雰囲気が強いので、売り圧がある分はしっかり警戒したい。

やや荷持たれ感のある水準で需給面では中立。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

化学セクターの値ガサIPOをどう評価するか？個人的には中長期的にはあまり期待できない印象が強い。
とは言え、6月最終IPOで主幹事野村證券となれば力技的なもので格好をつけて、そこに追随して買われる可能性があり、
出たとこ勝負で波に乗るというのが良さそうな銘柄。

メンズビューティーという分野で高い成長をしているのは評価できると思うが、どこまでこの傾向が続くのか？
ファブレスメーカーで結局、流行りなどが終われば一気に廃れる可能性もあるので注意したい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

初値は結局格好を付けそうで、一先ず参加しても問題無しの総合C級評価とする。
意外と伸び悩み公募近くで始まれば、上場後すぐにマイナス方向に動く危機感もあるが、
逆に予想よりも人気が出て、大方の予想より高ければ一時的な上昇もありそう。
上場時の流れに逆らわずに波乗りできたら成功と言えそうなIPO。

2020年に上場したI-neあたりと似たようなイメージを感じるが、
あちらは、よりターゲット層が広かったタイプ。
こちらは男性向けに絞っており、そこがこれからまだ伸びる余地があるのか？
これ以上の広がりが難しいのかの判断に迷いやすい。このあたりの判断が出来る方は参加しやすいだろう。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です