ＴＭＨ(280A)のIPO新規上場情報

SBI証券主幹事。半導体装置の部品の卸の他、リプレース・修理といった設置サポートサービスも行う。

大分県本店で、セクター卸売業。IPO視点で見れば地味な印象は否めないが、半導体産業にお金が集まっている状況もあって、今ならという印象。

吸収金額10億レベルで、上場タイミングも他と重ならないのであれば、需給面で初値はプラススタートの期待が優位か？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

半導体装置部品関連の卸売業。
元業界の技術者による知識とポータルECが強み。

大分県本店の事業で地方本店は地味と見られるが、
九州にTSMCの工場が進出するなど、半導体工場特需に沸いてそう。

今が好調の企業として上場時のほうが注目される可能性がある。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年11月度、単体予想EPSは85.04。
想定価格1,500円から計算される予想PERは約17.64倍。

単なる卸売業として考えると割高な気もする。しかし直近の売上高の伸びが凄く、
半導体関連の景況感に合わせて大きく動きそう。

見方次第で割安感の印象は変わりやすく、とりあえず上場時は半導体バブル感はある。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約10.4億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSBI証券。

売出株式比率68.6%と売出の割合が多い。オファリングレシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資も多め。ロックアップは1.5倍で解除となるため、
1.5倍の壁を大きく感じる銘柄。

ストック・オプションの未行使残も480円～1600円で480円16万株が多く、行使期間に入っている。

吸収規模は小さめなものの、上場時の売り圧はやや高め。
特に1.5倍でロックアップ解除となるのは、かなり意識されそうなところがあり初値は1.5倍まで感が強い。

需給面は初値ではプラス寄りだがあまり上がらない程度に感じられる。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

卸売業は業界の景況感に大きくされそうだが、半導体装置部品を扱っていて九州の他、
日本各地でまちづくりレベルの工場建設ラッシュには湧いている。当然、現在の需要は高そう。

売上急進で勢いに合わせて上場感が強いので、初値では一旦プラスになりやすい。
その後は、半導体関連の需要に合わせて業績が推移し、それに合わせて株価は動きそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

上場日は12月頭の単独上場。半導体関連の卸売業が、半導体工場建設ラッシュのブームに乗って、
売上急上昇で上場まで果たす印象。企業的には事業が大成功になって上場時が一番勢いありそう。
冷静に振り返ると、大分本店の卸売業セクターなので、本来は地味系・不人気と評価されていたはず。

熱が冷めると事業の本性が出るだろうが、卸売業は屋台骨で本来は低収益でも必要性で生き残るサービス。

上場時は一旦、初値プラススタートになりそうで、勢いがあればきつく感じる1.5倍の壁も破る勢いか？
とりあえず1.5倍までの予想で2,000円近くのプラス初値予想が妥当なところになるのだろう。

総合評価は半導体の勢いと、12月頭の単独上場というタイミングを買ってB評価とする。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です