Terra Drone(278A)のIPO新規上場情報

ドローン事業なのでIPOらしさがあり人気業種。

前回調達時より時価総額が低いダウンラウンド上場。約46％ダウン。売上は伸びていて赤字だが早期黒字化は見込まれそうでなんとか上場。

公募組に取っては前回調達よりも安く買えるという餌と評価が落ちているベンチャー企業に想定価格が赤字なので評価できないところに買う罠とが混同。

ロックアップのかかってないVCも多く、上場後の売り圧も多い。初値視点ではやはり注目度が勝てば需給面でプラス。IPO市場の落ち込みなどが響けば期待外れになりそう。

短期でも長期でもややギャンブル気味な印象。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

ドローンのソリューション事業。グローバル展開、多業種・多事業での活用が魅力。
今後の期待部分として「UTM（ドローン運行管理システム）」事業も展開。

ドローン事業は赤字脱却できない上場企業も出てきて、やや不安視もされているが、
ここは早期黒字化が見込まれている事で注目されるか？

上場日は同時上場になっているのは懸念点だが、11月自体のIPOは少なめ。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年1月度、連結予想EPSは-55.03で赤字。
想定価格2,350円から計算される予想PERは-約42.7倍。

前回調達時より時価総額が低い状態のダウンラウンド上場。約46％ダウン。
仮条件は上限が想定価格より高く、さらに20％超えの可能性つき。

赤字で価格妥当性の考慮が出来ない中、さらにバッファーのある条件で、もはや検証不可能。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約37.7億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比率17.3%と公募の割合が多い。オファリングレシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資が多く、上場時に売出してない。
ロックアップは概ね180日かかっているが、ロックアップが掛かってないVCもあり早期売却懸念含有。

ストック・オプションの未行使残は乱発しているものの多くは行使価格が2,846円、3,019円など高い。
100円ストック・オプションが35万株あり、行使期間に入っていて売り圧として換算したい。

需給面はダウンラウンドで買い得感が出るか？
黒字化が早期に見込めそうなドローン事業に期待して買えるものか？
初値で買いたくなる需要喚起がしっかりあるかが不透明。

どちらかというと需給面では割引評価したい。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

行っている事業内容を目論見書で見ると、ドローン活用で多岐にわたり魅力は感じる。
また業績面でも売上高がしっかり伸びており、黒字化目前。

一方でドローン系事業の上場はこれで3例目になりそうなところで、過去の上場銘柄は不振が続いており、
人気は落ちてきている印象。ドローン活用の未来には期待したいが、ドローン系事業会社への期待は減少気味。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

総合評価はC評価とする。微妙銘柄として取り扱いたい。
ダウンラウンド上場でようやく上場して、資金を増やすと同時にイグジットにもなる。
想定価格や仮条件の設定を見ても、公募組が完全にお得な位置から参加できるほど魅力を感じづらい。

ややギャンブル的な参加でもIPO全体で総合的にプラスになればという感覚の人なら、こういう銘柄もとりあえず何でも来いで参加。
IPOの魅力は、とにかく優位な取引に限るという人はパス案件か？

特に仮条件から上下20％超えまで公開価格が決定されることで、
1,800～2,940円という大きすぎる幅での条件設定となり、これを判断材料に参加するかしないかなんて決めづらいのではないか？

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です