Sapeet(269A)のIPO新規上場情報

AI系企業。もともと３Dのフィッティング技術の開発に優れていたことから生体分析が得意。専門領域のコア分野へのAI活用を目指す。

サービスとしては「ウエルネス」「セールス（接客）」をAIの力でエンハンスする。

業績推移は売上は順調に伸びているものの、先行投資で赤字継続。赤字のまま上場で、どう見られるか？

しかし吸収金額も小さく、グロース・小型・AI系という初値上昇条件は揃っていることから、一先ずプラススタートは間違いなさそうか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

東京大学発の３Dフィッティング技術にAIを掛け合わせ
身体スキャンによるウエルネス事業が特徴的。セールス領域にも身体スキャンが活かされたりしている。

特徴的な技術力で注目度は高そう。

上場タイミングも10月の最終IPOで単独上場。
さらに小粒案件ということで、期待して良さそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年9月度、単体予想EPSは-52.99で赤字
想定価格1,450円から計算される予想PERは-約27.36倍。

売上は成長しているものの赤字拡大からようやく反転傾向で、
割安面では評価できない。

直近の赤字企業のIPOの結果や株価推移が参考になりそう。
筆頭株主のPKSHAはPER50倍あたりの高PER。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約5.38億（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比や若干、売出が多い程度でほぼ半々。

ベンチャーキャピタルからの出資は1社で30,800株。ロックアップは掛かっていない。
またその他ロックアップの掛かりは、他の銘柄に比べるとカバー率は低め。

ストック・オプションの未行使残は行使価格575円で111,100株。行使は2025年からで上場時の影響は少ない。

小粒IPOということで特に上場時の需給面は問題なさそう。
上値の需給一致ポイントを探る展開か？

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

引き続き人気分野のAI系。こちらは東京大学発の３Dフィッティング技術もあることから興味深い技術力が魅力。
一方で売上は成長を続けているものの、黒字転換後、さらに伸びていくほどのスケール感があるかは判断が難しい。

成長戦略としてはウエルネス事業の拡大と、さらに領域拡大が書かれているが、やや抽象的な印象も否めない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPO初値評価的にはグロース・小粒・AI系で初値上昇要件の揃っている銘柄でB級評価とする。
さらに10月最後のIPOで小粒であれば、短期的なマネーゲーム的動きにもなりやすい。
短期的な動意付きの上値追いが見たいところだが、IPO地合いはそういったものが起きにくい厳しい環境。

枚数が少なく公募当選期待が薄いことを考えると、結局、妙味があまり感じられないIPOと言えるかもしれない。

AI系でこのレベルだと一昔前は初日値付かずの2.3倍超えも連発していたが今は昔。
現状だと1.5倍は超えてくれても2倍手前ぐらいでスタートとなりそう。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です