ROXX(241A)のIPO新規上場情報

若年層非正規向けの転職プラットフォームサービス。社会的なテーマ性も含有。

業績は売上急上昇中も、ようやく赤字縮小での上場は時期尚早感あり。また今のIPO市場ではこういった銘柄が期待感だけで上昇しにくい印象で、警戒感を持って検討したい。

業種的にも売上は伸びていて、今後のパイのスケールも感じるものの、低所得系になると単価をあげていくのは難しく、AIなどの技術効率化でどこまで収益構造を良く出来るかどうか？

売出の多さから、ベンチャーキャピタルや既存株主の出口とも見られやすく、公開価格に納得感が欲しい。売出が多いためロックアップは固い。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

ノンデスクワーカー向けの転職プラットフォーム「Zキャリア」運営。
サービス名からも分かるようにZ世代を意識した転職系でもユニークな部分がある。

業態のユニークさから、他のIPOは多少注目度は高そう。
しかしながら赤字上場、VCのイグジットなども目立つことから悪い意味での注目度も高い。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年9月度、単体予想EPSは-71.30で赤字。
割安性からは計れない。

成長率は高いものの黒字化目処も見えない中で、上場時期尚早感強い。
想定価格2,110円も今のIPO地合いを考えると強気すぎる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約70.9億（想定価格ベースOA分含む）のやや規模感の大きいIPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はみずほ証券。

売出株式比率88.9%とほぼ売出IPO。売出元はベンチャーキャピタルが多くイグジット感強い。

上場後もVC保有を多く残すが、ロックアップは360日や180日で価格解除がない。
売出で多く放出するため、上場後の需給よりも初値視点での需給に不安。

ストック・オプションの未行使残は上場時参入291,700株。
行使価格340円～1000円でこちらも一定数の売り圧としてカウントしたい。

需給面ではやはり初値視点でやや厳し目。
赤字上場、イグジット臭で、ブックビル人気は薄いものになりそう。
初値買い勢も、上場時は一旦様子見という雰囲気になりやすいと見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

新世代の働き方などをしっかり考慮してサービスを推進しており、売上が急上昇なのは評価できる。
しかしながら本来高収益になりやすそうな、就労市場のサービスで赤字上場でイグジットなのは気になるところ。

上場時のイグジット感が強いため、IPOとしての魅力には欠けると評価したい。
一方で、行っている事業に関しては素直に感心できる部分も多く、
上場後に評価が落ち着いてから、事業内容に応援できて株価が安ければ手を出したいレベル。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

赤字上場、出口案件、吸収規模もやや大きめということで、
初値視点では厳し目の評価が必要。最終評価はC評価とする。

公募割れリスクもかなり高いと見てD評価指定と迷ったが、
新世代からの注目度や、就労市場という社会性も高い事業に取り組んでいることから
一定数の評価が多方面からされる可能性には期待。

海外への販売もあるようなので、そちらの需給模様も踏まえながら最終判断したいところ。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です