住信SBIネット銀行(7163)のIPO新規上場情報

2022年3月上場予定も中止となり出直し案件。
東証一部上場予定→東証スタンダード上場予定。
吸収金額1328億円（時価総額約3000億）→吸収金額600億円（時価総額1900億）と1年で約3分の2ぐらいに。

インターネット専業銀行では初のIPOとなる。ライバル関係の楽天銀行も上場観測があるなか先んじて上場。

上場延期で1年経って価格を下げたことで需要は見込めそうだが、上場ラッシュと初物がどう見られるか市況に影響しそう。3月末に滑り込ませたのはあまり初値にはよろしくない気がする。

中長期の保有も可能であれば、いつかは売出し価格超えそうな時もあるといった内容。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

上場が決まればネット専業銀行で初の上場企業となる。楽天銀行よりも先に上場。
2022年3月に東証1部に上場予定だったが規模を下げてスタンダード上場。

注目度はいろいろな意味で高い。
仮条件発表直前に米銀行破綻のニュースが流れ、地合いの変動も激しそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年3月度、連結予想EPSは128.65。
想定価格1,260円から計算される予想PERは約9.79倍。

1年前は想定価格1,920円だった。なかなかのレベルでのダウンサイジングスタート。
通常出直し案件で条件を上場時参加組に有利にしてきた場合は、初値が良い場合が多いが今回は？

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約600億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事は野村證券。
スタンダード上場ではかなり規模が大きい。スタンダードからいずれプライムを目指したい様相。

全数売出しで公募なし。売出し元は三井住友信託銀行とSBIHDが仲良く半々。
当然のごとく価格解除なしの180日ロックアップがあるので、追加売はない。

ストック・オプションの未行使残もない。

どうしても3月末までに上場したい事情があるのかもしれないが、
タイミングが初値にとってはやや不安。ただ、ブックビル需要は普通に吸収規模以上はありそう。
初値視点での需給面は厳し目で見ておきたい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ネット専業銀行の初物ということで魅力はある。ただし全数売出しのIPOで売出し元の都合部分が多いIPO。
店舗銀行からネット銀行へとお金の扱いは変わっていくとは思うが、それは既存銀行でも同じ流れ。

果たして住信SBIネット銀行の「三井住友」「SBI」の冠に魅力を感じるかどうかになりそう。
個人的には今のところ便利にネット銀行を使わせてもらっているが、徐々にサービス低下していく予感がしてならない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

初値よりも中長期的に公開価格よりも上で推移したら良いレベルのIPOか？
売出し元的にはとにかく早期に上場できれば十分な印象。
あまり初値に関心がなさそうなところは気になるところ、一方で昨年度よりかなり価格を下げているので需要はあるだろう。

上場直前になって米国銀行破綻のニュースが流れたのは、
銀行業上場にとっては相当なイメージダウン。

感覚的には初値で公募割れしても長期的に見て、いつかプラスになるだろうぐらいの気持ちで申し込みたい。
それなら別に売出しに申し込む必要はないか・・・。初値で利益だそうという目論見は捨てたほうが良い。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です