AnyMind Group(5027)のIPO新規上場情報

2回の上場中止を経て3度目の正直の上場。しかし3月末に入れ込んだのはやや時期が悪いか？

公募売出し数や想定価格は前回予定だった昨年12月と条件変わらず。12月時点でも吸収金額を抑えたことと価格ダウンで期待が上がったが、裏切られる形の仕切り戦。

今回は黒字化見込み付き、業績は伸び基調も今後も先行投資をどんどん重ねて成長したい企業の模様で、資金集めの上場は果たしたい模様。

時期が時期だけに初値は危ういという予想。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

2度の上場中止を経ての3度目の上場予定。非常に心象は悪い。
今回も3月の期末上場ラッシュにねじ込んできて住信SBIネット証券とも被る3社同時上場。

多くの方に敬遠気味になりそうで、そこに来てどこまで健闘するか？
前回上場予定時は大幅引き下げ条件で上場目指したが、今回はその時と同条件。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、連結予想EPSは1.48。
想定価格970円から計算される予想PERは約665倍。

前回との違いは黒字化達成。今後も成長してどうかというところだが、
公募組にどこまで受け入れられるかは難しいところ。

まぁ、割安感で評価する銘柄ではない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約30億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はみずほ証券。

売出株式比率67.1%で売出株が多い。オファリング・レシオはかなり低い水準。
前回の条件代わりでかなり公募組有利に変えてきていることで、今回もそのまま適用。

ベンチャーキャピタルからの出資が豊富でロックアップは180日or1.5倍の条件。
VC勢など上場時に売出しで売り切れてないことからロックアップ解除からは確実に売り優勢。
ここだけ見ても相当公開価格から1.5倍の壁は厚い。

ストック・オプションの未行使残も81円価格などで大量発行。
上場時に約630万株の売り圧となり、公募売出し株以上。

需給面は残念ながらかなり厳しい。なんとか条件整えて昨年12月上場が直前で果たせなかった。
迷惑かけて再上場するのに条件を変えてこないのは、市場はそこまで甘くないのでは？と感じる。

残念ながら需給面で推しポイントはない。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

3度目の正直となる上場。それが上場ラッシュ中に入ってきたのは非常に厄介で、
会社側（既存株主側）、証券会社側のご都合主義で上場が進んでいるのは不信感。

2度もケチが着いた時点で、しかも2回目は配分までされて直前での中止。
こういったIPOに対して人気化を求めるのは無理があると言えそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPOとしてはだいぶケチがついている状況で、初値関心度はかなり低いのではないか？というのが最終評価。
昨年12月の状況では1度目から大幅に条件を公募組に寄せてきたので注目度が上がった。
今回は黒字化を出したものの2度の中止を挟んで、前回から条件変更無し。

心象が悪くなっている方はパスしてもいいだろう。
そんなに市場は甘くないところを見せておきたいと感じる銘柄。

海外配分や、相変わらず7億レベルの関心表明など眉唾な内容もあり、
ここは大手予想会社のレポートや地合いも含めて最後まで申し込むか考えてからにしたい。
乗っかって微益ぐらいなので、本気度は必要ないだろう。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です