メンタルヘルステクノロジーズ(9218)のIPO新規上場情報

産業医などの役割（ヘルスケアサービス）をクラウド化して提供。勤怠管理の他に、従業員のヘルスケア管理も企業責任として大きくなっており時流に乗って急成長。

期待はできるが、期待されていた事業であるためVCなどの先行投資も多い。今回もかなりの売出IPOでさらに保有株も残る。初値で買い手がつきにくいIPO環境でどこまで伸ばすことができるか？

A級レベルに期待したいところだが、地合いや3月末のIPOの混み具合も考慮して第一印象B級にしておく、BBスタンス時にAorBを判断したい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

「産業医クラウド」という産業医のクラウド化による効率化事業がメイン。
企業の働き方改革などで事業の注目度は高いと見られる。

3月IPOは地合いの悪さから数が減っており、
その中でも出てくるマザーズ成長案件として物色されやすい可能性。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年12月度、連結予想EPSは26.7円。
想定価格630円から計算される予想PERは約23.6倍。

成長性が加味されていて、それほど安くない価格設定だが、
単価も安く十分買いやすい価格という判断になりそう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約9.04億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はみずほ証券。

売出株式比率96%とほぼ売出IPO。オファリングレシオは低めの標準範囲。

ベンチャーキャピタルなどからの出資が非常に多く、売出後も保有株数を残す。
ロックアップ解除となる１．５倍価格からも売り玉が多い。

ストックオプションの未行使残は40,150円でこちらも82.2万株と玉数が多い。

売り出し多く、出口案件と見られても仕方がないところか？

吸収規模10億以下なら需給で大丈夫とみたいが、今の地合いだとこのレベルの買いも入りにくい。
そこに来て売り圧の強い案件が果たして受け入れられるか？少し注意したほうが良い需給と見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

企業のメンタルヘルスは重要な社会情勢で事業はクラウドによる効率化。魅力はありそう。
IPOの地合いが良ければ上場吸収規模感と業種で人気化していただろう。

しかしながら今は成長性を評価して買ってくれる層が非常に少なく、この手のマザーズIPOはリスクが高まっていると見る。
地合いのせいで出足が躓いても、個人的には応援したいと言うか成長して欲しい事業だと感じる。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPOの地合いが悪い故に、いまいち不安視されそうな案件。
売り圧の強いIPOでも、通常時の地合いであれば人気案件として取り上げていたと感じる。
昨今のIPO2極化の流れの中では「強」が結局出そうな気がするため、最終B評価とする。

3月IPOはもっと混み合うかと思っていたが、大型の住信SBIネット銀行も中止となり、
単純にスケジュール面での注目度も高まりそう。

よっぽどのショック状態の地合いでなければ、なんとかなるのではないか？

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です