さくらさくプラス(7097)のIPO新規上場情報

最近多い保育事業のIPO。政府の子育て支援政策の後押しがある政策テーマ性の高い事業。
不動産にこだわりを感じ、旧来のいかにも保育園といった箱物なしでも運営している。

業績も好調だが、吸収金額が大きめでリスクも高い。

直近IPOで保育事業も地合い次第で崩れているだけに強気になれない。

仮条件発表時に公募売出株式数変更
公募457,000→297,000
売出402,900→296,300
OA分128,900→88,900

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

4月のIPOが軒並み中止となるなか、公募売出数削減・仮条件大幅引き下げで上場を目指す。
10件連続中止明けで3週間弱間隔が空くのは注目度は高まりそう。

しかしながらゴールデンウィーク明けまでは、新型コロナウィルスの状況が好転するか分からず
IPOの初値がどうなるかの判断は予測がつかない。まだIPOどころではない可能性も。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年7月度、連結予想EPSは230.92円。
想定価格2,060円から計算される予想PERは約8.92倍。

保育園運営は恐らく政府からの補助もでる生活に必需なサービスであるため、
今回の事態の影響は少なそう。
しかしながら直近IPOで同業種のkids Smile Holdingsは散々な状態。

仮条件の大幅引き下げで、割安性がどうかで判断される相場ではない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約14.5億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比率はほぼ半々。オファリングレシオは標準範囲内。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
ストック・オプションの未行使残は330円価格で63万株程度。
既に行使期間に入っており、複数の従業員に割り当てられていることから散発的に売り圧力になりそう。

非常に閑散相場が続くIPOで、その状態なら10億以上の吸収金額でも荷が重い。
地合いの好転、もしくは直近IPOの株価の反転次第といったところ。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

保育園運営は需要が高まっており、箱に囚われない運営をして伸びているのは評価できる。
また政府としても後押ししている分野で、一定の補助金等が出るため続くならビジネスとして固い。

働き手を確保する上でも、必要な施設として認められている印象もあり、
ディフェンシブな銘柄としての魅力はある。この時期でも上場まで進めるのはそういう事もあってか？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

仮条件発表時に変更点として、価格は想定価格より3～4割減の提示。
また公募売出数も3割ほど減らす対応をしている。
それでも吸収金額は10億円を超えており、今の不安定な地合いで吸収できるかが疑問。

直前のIPOが10連続で中止となっており、期間が空いてIPOが登場するというのは、
スケジュール面で見れば資金の行き場を考えるとプラスになる可能性もある。

現時点では上場時の相場の読みが当たるか外れるかのギャンブル的な申し込みになる。
IPOの結果が散々な状況なだけに積極的に推しづらいが、人によっては裏をかいて狙ってみる感じか？
 
全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です