ツクルバ(2978)のIPO新規上場情報

最近やや不安感もあるが、上場時には人気の高い不動産テック関連。
急成長を見込んだ上場で吸収規模の大きさや既存株主の動向は気になるところ。
特にロックアップが1.5倍で解除と軽めで、売れるなら売りたい意志が見え隠れする。

7月の単独最終上場となれば、なんとか初値プラスという結果になりそうだが、地合いが悪ければそんなに跳ね上がる初値は期待できなさそう。

こういった銘柄にはリスクを取って参加すべきというのが第一印象。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

不動産テック系、リノベーションや中古住宅流通を得意として最近流行りの産業。
IPO的には注目や人気が高いが、不動産系ということで注意は必要。

IPOの地合いが悪ければ、それほど人気しない可能性も。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2019年7月度、単体予想EPSは0.1円。
想定価格2,050円から計算される予想PERは約20,500倍で計測不能状態。

計算上の割安性からは判断できない。業績の急成長は見られるので、今後も同様の成長が考えられるかで割安性を図りたい。
仮条件は控えめな設定になったことで、引き合いにはやや不安感も感じる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約45.1億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事は大和証券。

売出株式比率72.1%とやや売り出しが多め。オファリングレシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資もあり、売り出し後も残っている。
ロックアップは1.5倍の価格解除があり、値が伸びても1.5倍価格では売り圧力の壁となりそう。

またストック・オプションの未行使残も67円価格で65万株ほどが行使期間に入っておりこちらも意識したい。

業績にしては大きめの吸収規模に、上場後の売り圧力もそこそこ散見されており、需給面はイマイチ。
注目度は高くても、少し買いの人気が落ちれば公募付近で上場後に十分買える銘柄になる可能性もあり。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

人気の不動産テック系で業績の伸びもいいが、上場銘柄も増えてきて不動産銘柄に不信感も出てきているなど、
微妙な雰囲気も漂う。現時点では人気だが、そろそろ不動産テックも飽きられそう。

初値に関しては地合い次第で上にも下にもブレやすそうな印象。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

このところのIPOの初値の弱さを考えると、成長性期待でPER計測不能のようなIPOは
初値予想に慎重になる。期待感だけでは買われにくい状況が続いているだけにどうなるか？

吸収規模が大きいことから、上場初値の需給が微妙だが公募株の入手がしやすくなり、
これに関しては良い点と悪い点が混在。手に入る可能性が上がるが、初値期待は少し下げたほうが良さそう。

それでも初値売りでプラスになれば嬉しい銘柄で、広く浅く利益が出る銘柄になればという気持ちで取り組みたい。
スケジュール面で見ればバランスよく上場が飛び出す7月の最終上場なので悪くなく、
選挙が終わり下手に夏前の閑散相場で地合いが悪くならないことを期待したい。

総合評価はBに近いC評価ということで下げていますが、気持ち的にはBの欲しいレベルです。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です