日総工産(6569)のIPO新規上場情報

ギリギリ時価総額で東証1部上場予定、その場合は一部上場ではかなり小さな部類となる。
業績好調、みずほ証券主幹事。幹事証券も多く、当選はしやすそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

製造派遣（日産自動車との関係が強い）などを行っていて、他の事業にも手を伸ばす。
東証市場未定だが、規模的には東証1部になりそう。

東証1部上場なら、注目度の点では評価できる。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2018年3月度、連結予想EPSは158.86円。
想定価格3,570円から計算される予想PERは約22.47倍。

やや値ガサな部分が気になるところ、成長を加味すればといった想定価格。
しかしながら仮条件を下げてきて、割安感を演出。
主幹事らしい演出を感じてしまうが、素直に割安になったと評価か？

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約112億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO、
上場市場は東証市場未定だが仮条件上限決定なら250億をぎりぎり超える。
主幹事はみずほ証券。

公開価格によっては東証1部上場の要件を満たさなくなったので、意地でも上限決定させたいところか？

老舗会社らしくベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
ストック・オプションの未行使残は上場後1ヶ月以内に行使期間に入りそれなりにインパクトはある。
株主上位陣は売り出しも行う親族系で占めているため、売却リスクは薄い。

まずは公開価格が上限決定で一部上場になることが一歩か？
1部上場ならディスカウントさせた分ぐらいは買いに向かう需要が多く感じる。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

IPOらしい成長期待はそれほどないが、安定した伸びを見せている状況。
働き方改革が国策の焦点になる中で、労働市場で実績があるという部分は評価。

配当性向も30％を目標としており、高い配当を期待する安定株主の買いも期待か？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

久々の大型IPOで当選期待が高まるために銘柄の見極めが重要と感じる。
そこにきて、大幅な仮条件引き下げ、上限決定で1部上場というところまで条件を下げてきた。
主幹事の戦略が感じ取られるが、このところのIPO争奪戦を考えると、この銘柄をリスク取って攻めるのはありかと感じる。

ただ、地味案件には変わりないので初値高騰は期待薄で、上限決定せずに東証2部上場のリスクもある。

個人的なシナリオは上限決定、東証1部上場決定、初値は公募付近から少し上程度。
1ヶ月程度の時間をかけながら想定価格を超えて伸びていくイメージ。
それまでに市場急変などのリスクを許容できるか？または長期で持ってもいいかで戦略が変わりそう。

スケジュール的には同日上場もあるが3月ラッシュの2日目ということで、
この日程は初値に良い方向で影響すると考えている。

IPOはとにかく短期勝負の方にはおすすめしない。

評価は微妙のC評価とするが、当選しやすさなども加味すればB評価のイメージは持っている。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です