すかいらーくのIPO新規上場情報

再上場案件、国際会計基準（ＩＦＲＳ）採用初の新規上場。
国内売出し 43,147,600 株及び海外売出し
23,305,000 株を目処。
売出元はほぼ米投資会社ベインキャピタルによるもの

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

どこにでまるすかいらーくグループ「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」など、
低価格帯のファミレス運営、再上場案件で約8年ぶりの株式市場復帰。

秋の大型上場第一弾で注目度だけは高いだろう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2014年12月度の連結予想EPSは49.53円。
想定価格1,450円から計算される予想PERは約29.3倍。

外食産業としては類似企業として同等程度のPER。
個人的には再上場での出発なんだから、もっと安くするのが筋だと思う。

また低価格外食産業は、現在外部環境も非常に厳しく今後の業績も不安。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約1126億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO、
上場市場は東証1部予定。主幹事は野村證券。

グローバルオファリングで5分の2程度は海外へ。

恐ろしいのがすかいらーく再生ファンドのV.C.
176,460,800株91％以上を保有しておりロックアップからも外れている。
いくら保有予定と書かれていてもロックアップ条項をつけていないのは残念。

・ストックオプションの未行使残高の状況
12年1月　212,213株　49,876円　12年12月～22年12月
13年1月　20,334株　64,839円　13年2月～23年1月
13年9月　　　969株　64,839円　13年9月～23年9月
全て13年以降20%ずつ行使可能量が逓増する方式、どういう経緯で権利を付けたのか知らないが、
価格が非常に高く影響はほぼないと見受けられる。

なんといっても筆頭株主のファンドの意向で大量の売りになってしまう構成は厳しい。

買い需要として優待発表もあるが他の外食優待に比べても魅力に掛けたものとなっている。

需給面では相当厳しそうだ。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

名のしれた企業なので、多少の注目度を集めることになるだろう。
ただ低価格外食チェーン産業は「わたみ」「ゼンショー」など軒並み苦戦中で、
すかいらーくも雲行きは怪しい。

また上場時も完全にイグジット案件で、ここから買う妙味に掛ける。

資金の使途も「成長戦略」なんて具体性に欠ける胡散臭い言葉だ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

結局は注目度だけが高く、その他はIPOとしては評価できない。

攻めて公開価格に多少の割安感が付けばよかったが1,200円でもなんとなく高いイメージ。
1,000円以下で大売り出しなら優待もつくし買ってもいいかなという人は増えそうだが、
現状の価格では買う気になれない。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です