2016年度からマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)の利用が始まり、証券会社の新規口座開設にマイナンバーを知らせることが必要となっています。口座開設時に新しい制度のマイナンバーを告知しないといけないので、やや不安を感じている人も多いため仕組みや注意点などをまとめてみたいと思います。

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マイナンバー制度の仕組みや概要について

2015年の10月以降にマイナンバーの通知カードというものが発送されました。その中に個人番号という形で12桁の番号が書かれていると思います。それが個人に割り振られた番号です。

主に

  • 公平・公正な社会の実現
  • 国民の利便性の向上
  • 行政の効率化

の3点を目的に作られた制度です。

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証券会社にマイナンバーの通知が必要なのは、この中で税に関する届け出が必要だからです。証券会社が特定口座の税金計算・納付・各種支払調書の交付を税務署に行っており、その時にマイナンバーと紐付けすることで管理をしやすくするためですね。もちろん今まででもこういった情報の交付は税務署に行っていました。

なお、2016年1月以降に新規口座開設する方は口座開設時に必要で、既存開設者も2018年の末までにはマイナンバーを証券会社に通知しないといけません。これは所得税法等により証券会社が税務署への通知に対して3年間の猶予を受けているためです。

一先ずは証券会社の口座開設で何故マイナンバーが必要になるかというと、税務署への交付資料にマイナンバーを通知するよう定められているからとなります。

実際、今までも同じデータは税務署に行っていたのですが、住所や名前などで名寄せしていたものがマイナンバーを活用することによって、より簡単になりコスト削減になるし税逃れを見つけやすくなります。

私達個人投資家にとっては、確定申告時にマイナンバーのポータルサイトに証券会社からのデータを取り込み簡単に確定申告が正確に済ますことが出来るようになるなどの利便性の面での向上が検討されています。

マイナンバーに入っている情報は何?

マイナンバー通知による個人情報が漏れるという漠然とした心配を感じている人も多いです。

まずマイナンバーに入っている情報自体は通知カードの場合は、そこに書いてあるデータ「マイナンバー」「名前」「住所」「生年月日」「性別」のみになります。さらにICチップが内蔵されるマイナンバーカードには「顔写真」が追加されます。正直カード自体には運転免許証レベルの情報程度しか記載されていません。

結局はマイナンバーという1つの番号が1人に紐づけされ、情報として入っただけと言えます。

ただマイナンバーカードにはICチップがありますので民間開放してポイントカードへの利用、また公的個人認証を活用して、色々な本人確認が必要な場面でのポータル化を検討しています。

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マイナンバー制度活用推進ロードマップ

「ポイントカード」や「クレジットカード」「キャッシュカード」などカード系を1枚でまとめられるようになんてことも検討しているとニュースなどでも流れていますね。特に本人確認が必要なサービスを一元化する方向で活用を検討しています。選挙制度などもそうですね。

セキュリティに対する対策は現状で厳しい決まりなどがあります。

個人情報は、これまで通り各行政機関や地方公共団体ごとに個別に管理

「年金の情報は年金事務所」「国税の情報は税務署」と従来通り分散して個別に管理して、一か所に集めて管理しない。分散して管理することで、個人情報の情報漏洩の連鎖を防ぐ効果がある。

情報自体は分散することで芋づる式のデータ漏洩を防ぐ対策です。

マイナンバーの取り扱いは、法律に定められた範囲内のみ

法律に定められている場合以外でマイナンバーを収集したり管理したりすることは一切禁止されています。国の行政機関や地方公共団体などに限らず、勤務先や保険会社、証券会社なども、収集したマイナンバーを、法律に定められた目的以外で利用することは禁止されています。

法律による罰則など設けて、強化を図っています。

なりすましを防ぐ為に厳格な本人確認が義務付けられています

国の行政機関や地方公共団体、勤務先や保険会社、証券会社などが申請者や従業員などからマイナンバーを収集する際には、「本人確認」と「番号確認」の両方を行うことが義務付けられています。

これは他の人のなりすまし防止ですね。

色々と対策は打たれているようですが100%危険度を防げるか?と言われるとセキュリティ問題に関してはゼロとは言えないと思います。ただ、マイナンバーだからより危なくなるか?と言われると情報管理が分散化されているので、被害という面で見ると今までと同じレベルな気がします。

制度としてはすでに法案も通り進んでいますので、いくら個人情報が心配と言っても確実に個人に番号は振り分けられています。とりあえず現時点では、民間で利用できるサービスも少ないですが、今後カード統一化などが進みそれを利用するようになれば、マイナンバー自体の価値が非常に高まりリスクも高くなる気がします。

恐らく民間の色々なサービスで、任意で利用できるものも増えそうですが、そのあたりを利用するかは慎重になりたいですね。

2016年1月以降、証券会社の口座開設で新たに必要なもの

2016年1月以降マイナンバーの通知が必要になりますが、実際に必要な物は「通知カード」または「個人番号カード」になります。特に個人番号カードを作らないと口座開設できないことはありません。

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提出方法は本人確認資料などと同じで「Webアップロード」「Eメール」「書面」などでスキャン画像やコピーなどを提出するだけで終わりです。

実際手続きをしてみると、資料が一つ増えるだけで案外簡単だと分かります。

今までの本人確認資料の提出にもう一つ資料が増えた感覚ですね。このように証券会社の口座開設以外でもマイナンバーを本人確認資料のように活用する場面は増えてくると思いますので、通知カードが届いた時はなんだか重要そうに感じませんでしたが、管理はしっかりしておきたいですね。