きずなホールディングス(7086)のIPO新規上場情報

VC投資豊富の売出イグジット案件。
家族葬で葬儀関係の不透明性排除は伸びると思うが、ここまでVCの投資が入っているとはのイメージ。

成長率はそこまで高くないので、業種的に割高感がある上場となりそう。主幹事野村證券の手腕が見どころ。

上場数が多そうな3月でも上旬に出てくるのはスケジュール的に初値後押しするか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

最近IPOが増えている業態の一つの「小さなお葬式系」IPO。
家族葬メイン。セクターはサービス業で、特にこれといった新規性はない。

需要は高そうな事業だが、IPO的には見栄えがしない点がマイナスか？
上場日は相手方は東証2部上場だが、同日上場となる。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年5月度、連結予想EPSは108.92円。
想定価格2,200円から計算される予想PERは約20.2倍。

成長は緩やかながら一定数の需要は続きそう。ただ、想定価格から割安感は感じない。
野村證券主幹事得意のお高い値付けが出ているか？

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約44.2億円（想定価格ベースOA分含む）の中型～大型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事は野村證券。
フランチャイズなどの手があるサービス業にしては資金調達が大きい（売出が多い）。

売出株式比率97.1%とイグジットIPO。売り出し元はV.C.やファンドなど。
オファリングレシオもそれに伴い、50％超と高い。

売り出した後もファンド勢の保有は多く、ロックアップはあるが90日or1.5倍で解除と緩め。
上場後もまだまだ売り圧力があると思っておきたい。

一方、ストックオプションの未行使残はファンドの持ち株に比べればわずか。

需給面は厳しい方の評価になってしまう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

不透明な葬儀実態を大手が「家族葬」で、一定担保した形でのサービスなら需要は高いと言えそう。
最近はとにかく、関係者に金銭面で迷惑かけず葬儀などを執り行いたい希望者が多い。

ただし、宮崎から出てきた企業にしてはファンド勢のファイナンスが多く出口案件なのが悲しい。
葬儀ビジネスに結局、付け込まれているような印象も。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

私が親族の葬儀で「互助会」となるものが全然駄目だったことを経験しており、
もっと明瞭で真摯に対応して欲しかったことから、葬儀業界のビジネスがもっとしっかりして欲しい気持ちはある。
そういったところに取り組んでいそうだが、IPO自体がファンドの売出案件というのが残念。

また野村證券主幹事ということで、想定価格も割高感がある。
しっかりと初値は作ってきそうだが微増程度の期待に留めておきたい。

この業態で50億程度の吸収金額も気になるところ。

総合評価はC評価であまり期待しないが、野村證券主幹事ということで期待せずとも手に入らない可能性あり。
幹事証券に楽天証券の名があるのは珍しく、申し込んで当選倍率はチェックしたいところ。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です